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「別人」と語る“山本昌広”がみる山本昌に「あいつ、すごいな」

プライベートな「山本昌広」とはどんな人間なのか――

■誰も到達したことがない「山本昌」はすごい

 引退した今、改めて振り返ると、とても、山本昌広が成し遂げた記録とは思えませんし、その記憶は全くありませんね。知識としてはありますから、それを実際に掘り起こしてみると、例えるなら登山初心者がエベレストやK2、マッターホルンといった山を登り切った登山家を羨望のまなざしで見るような。「山本昌って、あんな高い山をいくつも登ってきたんだな。あんな場所まで駆け上がってきたんだ」と、ただただ感心するばかりなんです。山本昌広からしたら200勝はもちろん、日本のプロ野球で誰も到達していない「50歳まで現役」までたどり着いた山本昌は、本当にすごい人なんです。

 現役時代からそうでしたが、家に帰れば山本昌広に戻ります。プロ野球を引退したので、本名の山本昌広として活動してもいいんですが、みなさんからしたら私はいつまでも山本昌ですので、このままでいいかな、と思っています。おそらく、世間的には「やまもと・まさ」ではなく「山本昌(やまもとまさ)」として認識されているのでしょう。覚えていただけるのなら、大いに結構です。

 昨年から、解説者など新たな人生をスタートさせましたが、「野球選手・山本昌」のように、いつか「あの解説者もすごいところまで行ったんだな」と感じるようになればうれしいですね。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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